2020年新型コロナウイルス(COVID-19)騒動で春先に予定していた旅行は全てキャンセルか延期をしていたので、2020年になって初めての小旅行です。
1週間ほど前に突如、この時期にしか見ることができない雲海に浮かぶ竹田城を見に行こうと思い立ち予定を立てましたが、雲海を見るには早朝じゃないと駄目なので近くに1泊で計画。で、そのルート上にある生野銀山にも立ち寄ることにしました。
11月5日
交通費を安くするために、先ずは阪神電車で神戸三宮に出て、ここから播但線、山陰本線、福知山線経由で大阪市内までのJR乗車券を購入。
最初の目的地<生野銀山>は生野駅からは4km弱なので、徒歩で向かおうかとも思いましたが、取りあえず往路はバスで行くことにしました。バス停は駅舎を出たところにありますが、バスの時間まではほぼ1時間あるので、先ずは腹ごしらえをすることに。駅舎の中にある観光案内所でお店を聞きましたが、一番近い店は、この日は生憎の店休日で他に2か所教えてもらいましたが、片道10分弱とのことで、往復すればゆっくりする時間もなくなるので、駅前の道路を挟んだところにあるローソンでおにぎりとお茶を買って、駅前のベンチでささっと食べました。生野駅の本来の正面口は民家や商店などがある東口なんでしょうが、バス停は西口の方にあります。
生野駅西口 生野駅東口
生野銀山
生野銀山は807年(大同2年)に発見されたと伝えられ、本格的な採掘は1542年(天文11年)山名祐豊時代からで、その後、織田・豊臣時代を経て、徳川幕府時代に<銀山奉行>が置かれて最盛期を迎えることになったそうです。明治に入り政府直轄鉱山となり、1889年(明治22年)には皇室財産となり、1896年(明治29年)に三菱合資会社に払い下げになりましたが、1973年(昭和48年)に閉山され、今は観光用に坑道内を歩けるようになっています。
12時ちょうど発のバス(神姫グリーンバス)に乗ること約6分で<生野銀山口>バス停に到着。生野銀山の前に停まるのかと思っていたら、生野銀山までは約700mでしかも上り坂です。想定外でした。
生野銀山入口 チケット売場
入場券(900円)を購入して、観光坑道へ。江戸時代の手掘りの時代から近代の機械掘りの様子を見ることができます。総延長は約1Kmあり、ゆっくり見て回れば30~40分ほどかかります。
坑道内コース
坑道入口(金香瀬坑口)
坑道内 坑道内狸掘り跡 坑道内トロッコ軌道跡 坑道内
坑道出口
坑道外コース
この日の観光客は、私が行き会ったのは10人程度でしたが、観光坑道(坑道内コース)を見たら皆さん引き上げてましたが、私は時間があるし、せっかく来たのだからと露天掘りの跡(坑道外コース)も見ようと坑道の上にある山道を登っていきました。
金香瀬番所
金香瀬旧露頭群跡
(露天掘り跡/慶寿ひ)出賀坑口 辰巳坑口
片道1Kmもないんでしょうが、同じような感じが続くし上り坂だし途中で止めて引き返しました。最後に<鉱山資料館><吹屋資料館>をちらっと見学しました。
志村喬記念館(旧鉱山官舎)
生野銀山を後にして、帰りは予定通り徒歩で生野駅を目指します。帰り道では観光案内所で聞いていた<旧鉱山官舎>に寄りましたが、ここは名優<志村喬>の生家(志村喬の生家は老朽化のために取り壊されていますが、敷地跡はレンガブロックで囲まれて残っています)で<志村喬記念館>としても無料開放されています。
甲住宅(志村喬記念館)外観 甲住宅(志村喬記念館)入口
志村喬記念館(甲7号棟)
志村喬記念館内 立ち並ぶ甲住宅
甲住宅(4棟)を一通り見学した後にボランティアガイドのおじさんに声をかけてもらい、建物は一通り見た後だったのですが、前述の<志村喬の生家跡>へ案内してもらいました。生家跡はレンガを埋め込んで建物があった場所がわかるようになっており、手前の松の木は、志村喬が産まれた時にお父さんが植えた松だと言うことです。
志村喬生家跡
いろいろ話し込んだあと、土産物やお茶を出している入り口横にある受付や休憩所となっている建物(甲20号棟)で、珈琲(200円)を飲みながら、高倉健主演の<あなたへ>のロケ地として明日訪問予定の<竹田城>に訪れた際のビデオも鑑賞させてもらいました。
珈琲は200円の上に、お茶菓子がついてきますよ。この<志村喬記念館>はお勧めです。志村喬の生家跡にV6の<岡田准一>が寄贈した碑が立ってますよ。
トロッコ軌道跡
<旧浅田邸(口銀山・銀山町ミュージアムセンター)>の芝生の庭から、<トロッコ軌道跡>を見ることができます。このトロッコ軌道はかつては生野銀山から旧生野駅まで続いていました。この浅田邸のほか、少し進んだ市川にかかる姫宮橋からも見ることができます。浅田邸も無料で見学できますよ。
トロッコ軌道跡(浅田邸の庭から) トロッコ軌道跡(姫宮橋から)
この後、郷土資料館となっている<生野書院>にも立ち寄り生野駅に戻ってきました。生野書院の門は旧鉱山長の社宅の正門を移築したものです。
生野書院(生野資料館)
予定より早く戻ってこれたので、予定していた列車より1本早いのに乗れ、明日の下見を兼ねて、一瞬竹田駅で降りようかとも頭をよぎりましたが、前日5時間ほどしか寝てなかったので今日の宿を手配している和田山駅まで向かいました。結果的に1本早いのに乗れて良かったということに。と言うのも、ホテルは駅から歩いて15分くらいの距離で、事前に地図で道順を確認していたのですが、実際に歩いていくと、こっちの方が近道じゃないかと思ってしまい、結果的には遠回りすることになってしまいました(最初からナビを使えばよかったと後悔)。予定通りの列車に乗っていれば、既に陽は沈んでおり、目標物を見つけることが出来ずに迷子になっていた可能性もあります。
11月6日
和田山駅始発(5:20)に乗り一駅隣の竹田駅に7分で到着。乗客は3人だけで、竹田駅で降りたのは私一人。朝一番で目指すのは、雲海に浮かぶ<竹田城>を見るために<立雲峡>を目指しますが、登山道のある駐車場まで駅から徒歩で40分、この駐車場から第一展望台まで40分かかるので、竹田駅でタクシーに乗り駐車場まで行くつもりにしてましたが、駅を出たら愕然。人っ子一人いないし、タクシーなんかも停まってません。仕方ないので徒歩で目指すことになりました。
立雲峡
駅から歩き始めたのですが、あたりは暗くて足元も良く見えません。懐中電灯をつけながらのスタートです。幹線道路に出たあたりからは街路灯もあり、車もまれに走るので懐中電灯は不要になりましたが、まだ、ところどころで足元が見にくいところもあります。足元は良いんですが、ずっと上りの道です。どこかで右に入っていかないといけないんですが、20分ほど歩いてようやく案内板を見つけて一安心。後は一本道ですが、ほっとしたのも束の間、いきなり勾配12%のしかもくねくねした道路。その前に歩いていた道路も勾配8%の箇所もあり、それなりにきつかったのですが、その上を行く12%に愕然。右に左に道なりに登っていきましたが、中ほどと思われる場所であまりにもしんどいので休憩。暗闇の道端でガードレールにもたれて一服。5分ほど休憩して歩き始めましたが、一服したことを後悔。10分か15分歩いてようやく駐車場の灯りが見えて嬉しくなりました。吐く息は白いのに汗びっしょりです。幹線道路から外れて立雲峡への道を上る間は、2台の車に抜かれただけなのに、駐車場には数十台車が止まっています。
立雲峡環境整備協力金(300円)を徴収しているおじさん達と話をしながら20分ほど休憩して、展望台へ続く山道を登り始めました。この頃ようやく夜が明け始めました。
立雲峡環境整備協力金徴収小屋
この小屋の横からが登山口ですが、いきなり急こう配の登りですが、第3展望台には直ぐにたどり着けました。さらに登っていくと第2展望台ですが、ここから第1展望台がきついことこの上なし。若い子たちは疲れも見せず登っていきますが、途中で小休止を2度はさみ25分ぐらいで第1展望台に到着しましたが、そこそこの人出で賑わってます。
第1展望台 第1展望台
みんなカメラを携えて、三脚を立てて望遠カメラで待ち構えている人も数人います。が、見ている限り、若干ですが気配はあるのですが、包み込むような雲海は出てきそうにないです。
第1展望台から見える竹田城 第1展望台から見える竹田城
30分ほど滞在しましたが、雲海に浮かぶようなお城を見ることは出来なさそうなので諦めて下山を始めましたが、第2展望台のところに辿り着くと、先ほどよりは多少雲海が増えています。が、後で竹田城の人から聞いたのですが、風が強くて雲海が出始めたのですが、とどまらずに流れてしまったようですし、気温も高かったようで、絶好の雲海を見る条件にはなってなかったようです。
今回雲海が出ているのは下の2枚の画像くらいです。
第2展望台から見える竹田城 第2展望台から見える竹田城
この第2展望台辺りが、竹田城とほぼ同じ高さです。好みでしょうが、距離的にもこの第2展望台の方が竹田城には多少近いので、肉眼でもすこし大きく見えます。
これ以上の期待は諦めて7時半過ぎに下山を始め、竹田駅まで今度は下り坂を進んでいきました。来るときは真っ暗だったので、帰り道で撮った写真ですが、歩いてきた道路はこんな感じでした。
立雲峡への道 立雲峡への道
8時過ぎに竹田駅に戻ってきましたが、朝着いた時は真っ暗だった竹田駅前はこんな感じです。
竹田駅 竹田駅
竹田城(雲海の城)
竹田駅の待合室で15分ほど休憩した後、今度は竹田城を目指します。料金所までは、駅の裏から<駅裏登山道>で竹田城を目指しますが、出だしはご覧のように軽い上り坂ですが、程なく進むと勾配が半端じゃないです。帰ってから計算すると、距離が900mで標高差231mなので、平均斜度は14.4度です。料金所にたどり着くまでに、900mの間に5回も休憩しました。体力の衰えを痛感します。
もう一つある<表米神社登山道>はさらに勾配がきついようです。
駅裏登山道口
休憩を重ねて約40分で料金所のすぐ横に着きましたが、早朝の立雲峡への登山と合わせてへとへとです。料金所横でボランティアの方々と20分ほど話し込んでました。500円の観覧料を払ってようやくお城へ歩を進めました。
観覧は一方通行になっており、北千畳⇒二の丸跡⇒本丸跡⇒南千畳と進んでいきます。
竹田城への上り口
北千畳 北千畳(背景は本丸跡)
二の丸跡から立雲峡眺望 二の丸跡から見える天守台跡
天守台跡からの眺望 本丸跡からの眺望
南千畳 南千畳からの本丸跡
ゆっくり40分ほど竹田城を見て回りましたが、帰り道は朝上ってきた<駅裏登山道>よりも、傾斜のきつい、その分距離も短い<表米神社登山道>のすぐ近くに出てくるので、この道を選択しました。が、ボランティアガイドの方にも聞いていましたが、雨の後などは、滑って歩くのが怖いほどの段差や歩きにくさです。
11時23分の和田山行きに乗る予定でしたが、10時半過ぎに駅についたので、近くにあった整体院でありながら珈琲も飲める<カフェこり おおたがき整体院>で珈琲を飲んでゆっくりしました。
この後は、予定通りの列車に乗り和田山で乗り換えて福知山まで出ました。ちなみに和田山には古い機関車庫が駅のホームから見えます。
旧和田山駅機関車庫 旧和田山駅機関車庫
和田山城
和田山で2時間半ほど時間があるので、先ずは昼御飯と言うことで、駅舎の並びにある観光案内所でお勧めのお店を聞いてランチです。地域共通クーポンが使えたので現金支払いは80円だけでした。
福知山駅
その後<福知山城>まで20分ほど歩いて到着。隣接して<福知山光秀ミュージアム>と言うのがあり、共通入場券も販売していましたが、両方見る時間はなさそうなのでお城だけの入場券(330円)を購入しました。このご時世ですから、入る前に、健康状態や連絡先をアンケート用紙に書き込まないといけません。城に入る際には検温もあります。
福知山城 福知山城
福知山城
駅まで戻り、大阪までまっすぐに帰り、最後は友人と京橋で会食して今回のミニ旅行を締めました。